日本で一番有名なドイツ菓子はバウムクーヘンでしょう。
ドイツ語のバウム(Baum)は木でクーヘン(Kuchen)はお菓子。
なので「バウムクーヘン」は直訳すると「木のお菓子」で、見た目から名づけられた事が伺えます。
日本では色々なタイプのバウムクーヘンが売られていますが、それらは生地を柔らかくしたり香辛料の味を感じさせなかったり、基本の生地自体が日本風に変化したもの。
ドイツで食べられるものとはちょっと違うのが現状です。
バウムクーヘンには本来、マジパンと呼ばれるアーモンドのペーストや香辛料を加えて味わい深い風味の生地を焼き上げるので、食べた時にアーモンドの風味や香辛料を感じられます。
日本のものの様にふんわり感はあまりなく、しっかりした生地の塊。
その昔、日本では「パサパサしてて、食べたら口の水分が奪い取られる」と言われた感じのバウムクーヘンが多くありましたが、それが本来のバウムクーヘンに近い基本に忠実な物。
しかし日本では柔らかくてしっとりしてる方が好まれて、現在の様に生地がどんどん変化して行きました。
柔かいものに異論は唱えませんが、アーモンドの風味すらない事はとても残念に感じます。
ドイツでは生地の固さや風味に変化を出すより、クリームと組み合わせたりしてバリエーションを広げています。
昔から生クリームを添えて食べるのは定番。
そして、バタークリームと組み合わせたり、具の様な形でクリームの中に入っていたり、日本にではなかなか見掛けない形で店頭に並んでいます。
日本とドイツでは食の好みが違って当然なので、同じものが並ぶ事はないのは理解出来ますが、ドイツに行って「本場で食べたらまずかった」と言われると悲しくなります。
正しい食文化も理解されて、本場の味に近いものを受け入れてくれる人が増える事を切に願います。
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