こんにちは。京都のフランス料理「ベルヴィル」です。
店名の「ベルヴィル BELLEVILLE」は、パリの駅名/通り名/エリア名に由来します。
パリのベルヴィルは一言で表現するならば「カオス」です。
北アフリカ系移民と、中国からの移民、非移民系フランス人がクロスオーバーする複雑かつ猥雑なエリアであるという点が、カオティックです。
「ベルヴィル大通り」には、チュニジア系・モロッコ系・アルジェリア系の北アフリカ移民街となっており、アラビア語の看板を掲げた雑貨店や食料品店、料理店が並び、日本人が想像するパリのイメージとは180°真逆のエキゾチックな雰囲気です。
このあたりでモロッコの日用雑貨を買ったり、チュニジア料理を食べるのが好きです。
また、「ベルヴィル大通り」には週二回、大きなマルシェが立ち、新鮮な野菜や果物、肉、魚に加え、移民向けの安い衣料やスパイスも並びます。非移民系、移民系問わずたくさんの人で賑わう様は、さながらパリの縮図です。
「ベルヴィル大通り」と垂直に交わる「ベルヴィル通り」は、東西に伸びる坂道になっており、こちらは小さな中華街となっています。
中華料理屋、中華系食料品店に加え、ベトナム料理屋、ラオス料理屋、カンボジア料理屋、さらにはタイ料理屋も立ち並んでいます。
通りから横に逸れると、何事もなかったのように、中国感が一気になくなります。そんなところにある庶民的でローカルなビストロが、また美味しい名店だったりするのが、この街の面白いところです。
おすすめのビストロは「LE BARATIN ル バラタン」です。
また、パリ全体の家賃が高騰している昨今、家賃の安いベルヴィル界隈には、若い人がつくる新しい店も出来始めています。
「ベルヴィル通り」に戻り、坂道を登りきると、小高い丘になっており、その丘にあるベルヴィル公園からは、パリの街が一望できます。
日本人観光客から見ると、華やかさもないこの街はパリらしくないかもしれませんが、いろんな人種が入り乱れ、複雑なレイヤーで構成されているコスモポリタンな街の日常の光景こそが、本当のパリの姿だと思います。
そして、そんなベルヴィルの街の混沌とした熱気を、私はとても愛しています。店名をBELLEVILLEとした理由は、此処にあります。
皆さんも是非、ツーリスティックなエリアや華やかなエリアだけではなく、こういったリアルなパリの日常を感じられるエリアも、一度是非体験してみてください。まず日本人に会うことは殆どありません。治安は意外と良いのでご安心を。
君の手をとり、ダンスを踊ろう
ドイツの故郷